16Feb

目次
はじめに
私は英語学習を再開した2012年からEnglishJournal(以下、EJ)を購読しています。
ときには1000時間ヒアリングマラソンの副教材として、ときにはEJのみの定期購読。
または不定期に興味のある号だけの購入で、バックナンバーがかなりたまっています。
かれこれ10年ほどEJとお付き合いしている理由は「自然な英語に触れられるから」につきます。
しかし、EJをとことん活用できていたかといえば、ただ聞き流したり興味のない記事は読み飛ばしたりすることもあり、少しもったいなかった気がしています。
そこで、EJ2011年2月号を手に取り、「学習コーナー」をさらに活用する方法を考えてみました。
※EJが副教材となっているヒアリングマラソン12ヶ月コースは2021年12月20で販売終了となりました。
※6ヶ月コースは販売継続となります。
EJが示す難易度と自分の難易度が違う件
EJでは学習コーナーのレベル(難易度)を紙面に表示していて便利なのですが「ちょっと私が感じるレベルとは違うかも」と思うことがあります。
EJが掲載してる難易度(レベル)とは英検、TOEICに換算すると以下のとおりです。
- レベル1~2…初級向け(英検~2級程度、TOEIC~730程度)
- レベル3…中級向け(英検2級~準1級程度、TOEIC730~860程度)
- レベル4~5…上級向け(英検準1級~、TOEIC860~)
また、EJの学習コーナーは以下から構成されていて、EJがそれぞれのレベルを表示しています。
- インタビュー/スピーチ…レベル3~
- エッセー朗読…レベル2
- 二人によるフリートーク…レベル3
- レクチャー(講義)…レベル3~
- クイズ…レベル2
私の経験では、レベル1はひとつもなく、レベル5は私が購読した範囲内ではベネディクト・カンバーバッチさんのムチャクチャ早口のインタビューのみ、1回だけでした。
もしかして、私が購入しなかった号にレベル1やカンバーバッチさん以外のレベル5があったかもしれませんが、ほとんどないと考えてよいかと思います。
また、インタビュー/スピーチはレベル3か4がほとんどですが、3と4の違いは私にはよくわかりません。
ノンネイティブの英語で聞き取りが難しい、語彙が難しい、非常に早口で聞き取りが難しい、という人はレベル4だった、という印象はありますが、はっきりした基準はわかりません。
レクチャーに関しては、ほとんどがレベル4に設定されています。
EJのレベルと自分のレベル差の具体例
EJはリスニングにとてもよい教材で、英語学習に役立つのみならず、旬の話題が掲載されていることから英語で世界情勢を知ることができるなど、教養を高める効果も期待できます。
ただし、リスニングの難易度はその人の背景知識の有無に大きく影響されます。
実際、2021年2月号の、EJと私自身が感じた難易度をあげてみます。
インタビュー1:ジョージ・クルーニー(俳優・映画監督)
EJ難易度:レベル4
私の難易度:レベル5
理由として私はそもそもジョージ・クルーニーは名前しか知らず、確かアカデミー賞など多くの受賞をしている人という程度の認識。
彼の作品はひとつも観たことがありません。
このインタビューに固有名詞(人名や作品名)がたくさん出てくるのも、難易度が高いと感じる理由のひとつ。
それと、インタビュアーがスコットランドアクセントなもので、ほとんど聴き取れませんでした。
以前、スコットランド人の英会話講師からレッスンをとったことがありましたが、アクセントが聴き取れずに諦めたことがあります。
よって、私にとってはこのインタビューはレベル5であります。
聴き取りの対策としてはEJの「理解のためのキーワード」を熟読。
それでもわからないのでwikiでジョージ・クルーニーを調べて背景知識を得てから再度のリスニングをしました。
さらに、リスニングをしながらスクリプトの下にある語注に聞こえた順にチェックを入れていきました。
しかし、2回リスニングしても内容が把握できなかったため、そそくさとスクリプトを読むことに。
私は「これはおそらく何度聴いてもわからない」と判断したものは、すぐにスクリプトを見てしまうことにしています。
理解できない音声を何度聴いても「雑音」にしかなりません。
ちなみに、このジョージ・クルーニーのスクリプトを読んでわからない語彙や固有名詞をチェックしたりするのに、約1時間かかりました。
ジョージ・クルーニーに関する背景知識を得て、語注もチェックし、さらにスクリプト全文を読んで意味をつかんだ後にリスニングをしたところ、かなり聴き取れる部分が増えました。
インタビュー2:カイリー・ミノーグ(ミュージシャン)
EJ難易度:レベル3
私の難易度:レベル2~3
私はカイリーミノーグという名前にも歌っている曲にもなじみがありました。
この方をご存じない人でも、日本でWinkにカバーされた「愛が止まらない~Turn it into love」は大ヒットしましたので、一度は耳にしたことがあるという人は多いのではないでしょうか。
カイリーミノーグは好きな曲が多く、懐かしい思い出があって「この人のインタビューだったらぜひ聴いてみたい」という気持ちになったことも私のなかでは難易度を下げた理由のひとつです。
オーストリアアクセントはあまり感じず、どちらかというとブリティッシュアクセントに近かったのも聴き取りやすさにつながりました。
Tea Time Talk
EJ難易度:レベル2
私の難易度:レベル2
おなじみ、ケイ・ヘザリさんのエッセー朗読です。
私はヘザリさんの書く文章も朗読なさっている声も大好きです。
ものすごく忙しくてEJに手を付けられなかったときでも、ヘザリさんのエッセーだけは聴いて、読んで、シャドーイングしていました。
同じ人のエッセーを長年読んで聴いていると、その人の背景知識もわかってきます。
ヘザリさんは日本滞在歴が17年と長く、現在は米国テキサス州にお帰りになっていますが、帰国後も毎月欠かさずEJにエッセーを届けてくださっています。
ヘザリさんが現在どのような暮らしをなさっているか、おおよそわかっているのでお話している内容もほとんど1度で理解できています。
Quick Chat
EJ難易度:レベル3
私の難易度:レベル2
毎号楽しみにしているコーナーです。
イギリス人のマイケル・リースさんとアメリカ人のアン・スレーターさんが交代でホストをつとめ、ゲストを招いて旬の話題でトークを展開します。
2月号のゲストはイギリス人のエマ・ハワードさん。
この方はNHKWorldのナレーションでもお声を耳にしますし、NHKラジオ講座の「実践ビジネス英語」に登場したこともあります。
美しいイギリス英語を話す方で、大好きなナレーターさんの一人です。
アルク出版の音源の多くにもご出演していて、なじみのある声と話し方です。
今月のQuick Chatは、お二人ともブリティシュアクセントですが、聴き取りづらいということはなく快適にリスニングができました。
ただし、マイケル・リースさんはかなりの早口で、特に語尾がキャッチできないことがあるため集中力が必要です。
同じ話者の英語をリスニングするのは、内容が違っていてもその人のクセを知っているので聞けば聞くほど難易度が下がってきます。
レクチャー
EJ難易度:レベル4
私の難易度:レベル2
歴史を専門とするジェームス・M・バーダマンさんのレクチャーです。
私はこの方を存じませんでしたが、今回のテーマは津田塾大学創始者の「津田梅子」さんです。
「津田」といえば、文系女子は一度は受験を考える憧れの大学ではないでしょうか。
このレクチャーでは津田梅子が渡米した年齢や没年齢など、私が知らなかったこともありましたが、リスニングだけでほとんど内容が把握できました。
話し手のスピードがゆっくりで語彙も難しくなかったのもありますが、やはり「あの津田梅子のことだ」という背景知識があったのが難易度を下げた理由です。
まとめ
今回は愛読しているEJの「学習コーナー」の難易度が高いものを聴きとるにはどうするかというお話でした。
2021年2月号インタビュー1のジョージ・クルーニーが私には「ちんぷんかんぷん」だったのは、ジョージ・クルーニーの話すスピードが速かったことに加えて、私の背景知識がほとんどなかったことが原因です。
EJにはこのように、まったく知らない人なのでパスしてもよいようなインタビューやスピーチもたくさんあるのですが、それをモノにするとしないでは英語の伸びがぜんぜん違ってくると思うのです。
せっかくパソコンの前にいるのですから、ちょっと検索してその対象人物について調べてみるだけで、リスニングのハードルが低くなることもあります。
EJは生英語に触れられる数少ない素材ですので、1,540円(1,400円+税)分のもとをとれるよう学習してゆきたいものです。
English Journalは定期購読がお得で、11か月分のお支払いで12か月分のEJが届きます(1冊おまけになります)。
また、English Journalは「ヒアリングマラソン」の副教材で、ヒアマラを申込むと自動的に毎月届きます。