24Nov
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はじめに
私は2020年の6月にペースメーカー植え込みのため、9月には心臓サルコイドーシスの検査、診断、治療のためと2回入院しています。2回の入院は別の病院です。2回とも、個室は利用せず大部屋とよばれる多床室(4人部屋)に入院しました。
今回は、個室と大部屋のメリットとデメリットについての体験記事を書くことにします。
私の入院経験
初めての入院は、小学6年のときの「虫垂炎」でした。子どものころのことなのであまり記憶にありませんが、4人部屋に入院したことは覚えています。
次は結婚し、息子を授かったときに「切迫流産」と診断され、安静のために入院しました。この入院は妊娠初期にとどまらず、中期、後期も「切迫早産」で入退院を繰り返しました。通算8カ月、妊娠期間のほとんどを病院で過ごして息子を生んでいます。
40歳ころには子宮筋腫の増大のため子宮全摘手術を受けることにし、約10日間入院しました。
その数年後に、原因不明のめまいで総合病院の耳鼻咽喉科に入院。そのときに安静のためという理由で主治医から勧められ、初めて個室を利用しました。
数回の入院経験のなかで一度だけ個室利用の経験がありますが、あとはすべて大部屋(4人部屋)への入院でした。この記事では、個室と大部屋の比較を書いてゆくことにします。
個室と大部屋(多床室)、どちらにもメリットとデメリットがあります。
大部屋のメリット
差額ベッド代がかからない
通常、大部屋(多床室)は差額ベッド代がかかりません。差額ベッド代とは病院の宿泊代で正式には「差額室料」といい、病院により「特別室使用料金」と表記されているところもあります。
差額ベッド代が発生する病室を「特別療養環境室(特別室)」といいます。料金面を考え、出費を抑えたい場合は大部屋(多床室)を選択するようになるでしょう。私も、今年の2回の入院時には当たり前のように「はい、差額ベッド代のかからないお部屋でお願いします」と言いました。
■ 差額ベッド代がかかるのは個室(一人部屋)だけとは限りません
■ 1~4人までの病室で一定の基準を満たすと特別療養環境室(特別室)の扱いになります
私が6月にペースメーカー植え込みのために入院した病院では4人室で「特別療養環境室使用料」が日額1,650円発生しました。9月に入院した大学病院も4人室でしたが、こちらは差額ベッド代はかかりませんでした。
以下のリンクにたいへんわかりやすい解説がありますので、よろしければご覧になってください。
参照サイト 入院にかかる費用「差額ベッド代」って何ですか?
差額ベッド代が発生する病室の条件は以下の4点です。
■ 病室のベッド数が4床以下
■ 病室の床面積が一人当たり6.4平方メートル以上
■ ベッドごとにプライバシー確保の設備がある
■ 個人用の私物収納設備、照明、小机、椅子がある
同室者がいることの安心感
入院には不安がつきもので、初めての入院ならばわからないこともたくさんあるでしょう。通常、同室になる人は同じ診療科の患者さんで、病状が似ていたり同じ手術や処置を受けていることが多々あります。そのような環境で、患者同士の連帯感や協力体制も生まれ、仲良く過ごせるのは大部屋のメリットのひとつです。
患者の立場になると先生やナースさんに「こんなこと言っていいのかな、聞いていいのかな、頼んでいいのかな」と迷うこともたびたびあります。同室の人に「これってどうなんでしょうね」と聞いてみると「私はこうしたよ」とか「それはこうしたほうがいいよ」などと教えてもらえることもあります。
経験者が近くにいるのは心強いものです。
比較的軽症または退院間近の人が多い
重症の人や術後の人は、はじめはICUやHCU、回復室とよばれる病室や個室にいることが多いです。その後は回復とともに一般病棟に戻り、大部屋に移ってきます。
つまり、大部屋には比較的元気な人が多く、同室の人のナースコールや急変などでスタッフの出入りがあわただしく落ち着かない、ということはあまりありません。
大部屋のデメリット
プライバシーが筒抜け
入院中は先生の回診や看護師さんによるケアがありますし、薬剤師さんなど他の医療スタッフの病室への出入りも頻繁にあります。事務手続きや医療費の件で、医事課の職員さんやケースワーカーさんが来ることもあります。そのような病院スタッフとの会話は、同室の患者さんたちに筒抜けとなります。
ご本人から聞かなくても、現在の病名、既往歴、飲んでいる薬、家族構成や住んでいるところまで、あらゆることがわかってしまいます。もちろん、良識を持ち合わせている人ならば、それらに関しては聞こえなかったことにするのが礼儀です。
しかし、プライバシーを重視する人には大部屋は向きません。
ただ、今この病室に入院している人たちは「たまたま」同じ時期に同じ空間を共有しているだけで、今後おそらく二度とお会いすることのない人たちです。偶然、友人・知人、ご近所や会社の人と同室になったというケースがあるかもしれませんが、私はそのような話は聞いたことがありません。
ほとんどの人は、同室になったとしても連絡先を交換したりもしませんし(長期入院で仲良くなった人は別として)、同じ病室になったあなたのことをどこかで話題にすることはまずないと考えてよいでしょう。
騒音の問題
同室者が出す音は、故意でなくともうるさく感じ、ストレスになることがあります。
夜間眠れないからといって突然荷物の整理を始めたり、通話禁止のはずの病室で携帯で話したり、イヤホンを使うことになっているテレビをイヤホンなしでつけたりする人と同室になったことがあります。直接ご本人に言えればよいのですが、なかなか難しいものです。一度だけ「テレビを観るときはイヤホンを使っていただけますか?」とお願いしたことはあります。
その他、いびきや咳は生理的なものでその人の過失ではありませんが、睡眠の妨害になります。
全身麻酔で手術を受けると、術後にかなりの咳や痰がでる人もいます。私が今回の入院で一番きつかったのは、手術を受けた同室のかたたちの「激しい咳」でした。
私はステロイドの副作用ですっかり不眠状態になったところに、同室のかたが夜間もかなり咳き込んでいらしたので、ますます眠れませんでした。そうこうしているうちに私が退院となったため、個室への移動希望はしませんでした。
個室のメリット
プライバシーが守られる
先述したように、大部屋の場合は、医療スタッフとの会話が同室者に筒抜けになることは間違いありません。どんなに小さな声で話しても聞こえますので、そのことに抵抗がある人は個室が向いています。
騒音に悩まされない
これも大部屋のデメリットを考えると、個室にいれば同室者が出す音(生活音や生理的な音も含む)にわずらわされることがありません。隣の病室の音が聞こえてくることはありませんので、音に敏感な人は個室がおすすめです。
個室のデメリット
費用がかかる
費用面では、差額ベッド代を別途請求されるため、入院費が高くなります。特別室のランクは病院によりさまざまですが、私が入院した大学病院で最も高額な個室は1日につき、41,250円とのことです。特室SSという室名のそのお部屋には、応接セット、テレビ、キッチン、電子レンジ、バストイレがついているとのこと。
医療機関により、個室のタイプや料金設定が異なります。入院が決まると、たいてい病院のパンフレットや説明書などを渡されます。個室料金も記載されていることがほとんどです。
多くの場合、個室にはシャワー・トイレがついています。低料金の個室ではトイレのみの場合もあります。以下の条件にある人なら、個室利用も考えてはいかがでしょうか。
- ある程度入院日数がわかっている人
- ごく短期間の入院
- 生命保険の入院給付を厚くしていて個室代を払っても余裕がある人
ひとりでは寂しいし心細い
入院中は病状が落ち着いてくると、結構「ヒマ」な時間が多いものです。話し相手がいれば気がまぎれることもありますので、誰かと一緒のほうがよいという人にとっては個室はデメリットとなるでしょう。
また、私の亡くなったお姑さんは、入院中にのどにモノを詰まらせ、気づいた同室の方がナースコールを押してくださったそうです。その話を聞き「同室の人がいてよかった」「個室だったらあぶなかった」と思いました。ごくまれにせよ、そのようなケースもあります。
おわりに
今回は私の入院体験も含め、病室を選ぶ際の個室と大部屋(多床室)のメリットやデメリットをまとめてみました。あとは予算との相談、好みの問題がありますので、どちらも一長一短です。
同室の人とあまりにも相性が悪いとか(病室にも人間関係があります)、他の人が発する音が我慢できないという場合には、途中から個室に移ることもできます。
「我慢できそうにない」ときには担当ナースさんに相談してみましょう。入院には「協調性」や「我慢」という自己努力も必要です。しかし、個室料金を支払っても心の安定のほうが大切な場合もあります。
入院時のお助けグッズについても書いています。