8Jun
今年度から始まった「ラジオビジネス英語」の5月号を聞き終わりました。
私は放送日の翌週にストリーミングで聞いています。
リアルタイムで番組を聞くのは時間的に少々難しいため、翌週にらじる★らじるで聞いているわけです。
ところで、ストリーミングにもメリット・デメリットがあります。
メリットは以下の点があげられます。
- 期間内なら何度でも聞ける
- 一時停止、早送り、早戻しができる
特に私はシャドーイングの部分を早戻しして2回、3回と行うことがあるので、ストリーミングは便利に使わせていただいています。
しかし、デメリットもあり、私の場合は以下の点に注意が必要。
- 今週中に聞けばいいや、と思って学習を先延ばしにしがち
- わからないところは聞きなおせばいいので、真剣みや集中力に欠けるときがある
ラジオビジネス英語5月号の内容
ラジオビジネス英語は月曜日から金曜日まで週5回の講座で、1回が15分ですので忙しい人にも取り組みやすい仕様です。
私がNHK講座の気に入っている点のひとつが「ワンレッスン15分!」ということです。
すき間時間にワンレッスン聞くことができるのは、忙しい現代人にとって非常にありがたいですね。
ラジオビジネス英語の具体的なスケジュールは以下のようになっています。
■ 月曜日・火曜日・・・会話形式でビジネス英語を学ぶ
■ 水曜日・・・日本人が書いた英文メールの改善点を提示しリライトされたメールを提案
■ 木曜日・金曜日・・・インタビュー
各曜日の詳しい内容については以下の記事でご紹介していますので、よろしければご覧になってください。
ラジオビジネス英語は東京の住宅メーカーの「ABCハウス」が舞台で、私たちリスナーはビジネスシーンで使われる表現を学んでゆきます。
5月号では、英語での面接のシーンがあり、面接した応募者の誰を採用すべきかという会話が展開されていました。
「英語の面接なんて受ける予定ゼロ」という人もたくさんいらっしゃるでしょう。
しかし、面接シーンで使われる表現は面接でだけ使われるわけではありません。
たとえば、テキストで面接官が応募者にWhat brings you here today? と聞いていますが、これは幅広く使える表現です。
What brings you to Japan?なら「どうして日本に来たのですか?」という意味で使うことができます。
このように、ラジオビジネス英語のテキストには応用の利く表現がたくさんありますし、代替表現もAlternative Expressionsとしていくつか紹介しています。
リスナーが自分の環境に合わせた表現を作ってみるのもよいですよね。
ノンネイティブスピーカーのリスニング
ラジオビジネス英語5月号のインタビューのお相手は、ノンネイティブスピーカーのかたでした。
そこで今回は「英語が母語でない人の英語を聞き取ることの重要性や難しさ」についても書いてみたいと思います。
インタビューに応じていらしたのはウダーナ・バンダーラさんとおっしゃる大手IT企業に勤務するスリランカ出身のかたです。
テーマは「マインドフルネス」で、昨今は書籍やネットで話題になっていますね。
今回のインタビューの1回目の放送時に柴田先生が「いまや英米人以外と話すことのほうが多い」とおっしゃっていました。
現在、世界の英語使用者の約8割は非ネイティブと言われているほど、世界中の多くの人々に話されている英語です。
今後、非ネイティブとのやりとりはますます増えると思われます。
そこで気をつけなくてはいけない点が、プロの吹込み者がきれいな英語で話している学習用のCDだけを聞いていると、ノンネイティブスピーカーとの会話はかなりハードルが高くなることです。
実際私も、英語学習者として学習用音声を何年も聞き続けてきましたので、5月号のインタビューのリスニングには苦戦しました。
私にとっては「かなり厳しいリスニング」の部類になります。
インタビューのお相手がスリランカのかたで英語が母語ではないからです。
流暢な英語を話すかたでしたが、thinkがティンクと聞こえたり、reasonがリースン、designがデサインになるなど、いわゆる「母語干渉」により難易度の高いリスニングとなりました。
さらにバンダーラさんは吹込み者やアナウンサーのような話しのプロではありませんから、カンマやピリオドで間を開けずに話すなどの特徴がありました。
同じ日本人の英語はかなりの日本語なまりがあっても聞き取れますので、母語の影響は非常に大きいと感じます。
■ 母語干渉とは学習中の他言語に母語が与える影響のこと
■ 文法や発音などに広範囲にみられる
■ 他言語を学ぶときには母語干渉があることを意識することが重要
なお、私が聞いた限りではインタビュイーのバンダーラさんの言い間違いと思われる部分も、テキストには正しい文に直されて掲載されていました。
私が気づいたのは1か所、at the same timeが正しいところを、in the same time とおっしゃっていましたがテキストにはat the same time となっています。
アルクのヒアリングマラソンやEnglishJournalであれば、発話されたとおりにスクリプトに掲載され、語注に★正しくは●●●のように記載されます。
ところで、アルクのヒアリングマラソンに「気になる話題でトーク!」というコーナーがあります。
(注:ヒアリングマラソンは2023年1月号をもって販売終了となります)
話者は国籍、ネイティブ、ノンネイティブを問わない3人のかたがたで、さまざまな話題でトークを繰り広げます。
なかにはスリランカのかたもいらっしゃいます。
7月号にもそのかたが登場していて、非常に流暢な英語を話しますが、thingが「ティング」と聞こえました。
「あ!ラジオビジネス英語でも聞いたけどスリランカの人のthは『ティ』と聞こえるんだ!」と、勉強になりました。
母語干渉について、詳しく解説なさっているサイトを見つけました。
こちらを読んで日本人が英語でミスしがちな冠詞や前置詞、数の概念も母語である日本語の影響を受けていることに納得しました。
知っておけば役に立つ!「英語の習得が難しい」と感じる理由は?
ノンネイティブ英語を聞き取るには
私は仕事で中東や東南アジアなど、英語が母語でない国のかたと話す機会がありました。
なにしろ非ネイティブ同士が英語で話しているわけですから、もう混乱の極みです。
英語圏のかたと話すと「ああ、なんてわかりやすい英語なんだろう」と感じます。
しかし柴田先生がおっしゃるように、ノンネイティブスピーカーの英語を聞き取ることは今後ますます重要になってくると思われます。
その対策としては、やはりノンネイティブスピーカーの英語を聞く機会を増やすしかないですね。
それと、第2言語として英語を学んだ人の英語には母語干渉という現象があることを常に念頭に置くことが大切ではないでしょうか。
各国の受講生と一緒に学ぶオンライン英会話
EF English Live というオンライン英会話で、レッスンを受けていた時期があります。
講師はネイティブのかたで、受講生は世界中から英語を学ぶために集まってくるノンネイティブです。
このオンライン英会話ではグループレッスンとマンツーマンレッスンがあり、グループレッスンでは他国の受講者とロールプレイをし、他国の人が講師に質問するのをリアルに聞くことができました。
時差の関係でアジア圏のかたと同室になることが多かったのですが、ブラジルなどまさに地球の裏側のかたと一緒にレッスンを受けたこともあります。
ネイティブと24h英会話世界最大級のオンライン英会話1週間無料体験キャンペーン実施中
このレッスンで学んだことは多く、学習用のCDでは得られない貴重な体験をしました。
無料体験ができますので、興味のあるかたはぜひお試しください。
オススメ教材
私は英語の再学習を開始してから英語教材オタク状態になった時期もあり、様々な英語教材を見たり聞いたり調べたりしました。
そのなかでノンネイティブ英語を教材としているものはごくわずかです。
今まっさきに思い浮かぶのがEnglish Journal(EJ)です。
EJには「世界の英語」というコーナーがあり、ノンネイティブの多種多様な英語を紹介しています。
そして、この連載を書籍化したのがこちら。
スペイン語なまり、ヒンディー語なまり、ドイツ語なまり…など、「多様な英語」に対応できる英語力は必須! アフリカ、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、アジア出身の27人の英語を聞く!
月刊『ENGLISH JOURNAL』の人気連載を書籍化。
今、本当に必要なのは、ノン・ネイティブの話す多様な英語に対応できる英語力!
本書はノン・ネイティブの話す英語に焦点を絞ったリスニング対策です。
引用元:「世界の英語」リスニング
こちらはアルクダウンロードセンターからダウンロード可能です。
まずは音声を聞いてみて、必要と思えばそれから本を買ってもよいですね。
アルクさんのこのサービスにはいつもながら感謝しています。
English Journalの2020年1月号では「あなたの知らない世界の英語」という特集をしていました。
アルクのヒアリングマラソンでは、マンスリーテキストと副教材のEnglish Journalでノンネイティブスピーカーの英語を聞くことができます。
アルク社から出版されているこちらはヒアリングマラソンマンスリーテキストの「気になる話題でトーク!」(旧:今月の本音トーク)を書籍化したものです。
私も持っていますが、英語ネイティブ、ノンネイティブ合わせて10か国のかたがたがスピーカーとして登場しています。
話し手の皆さんはアナウンサーやナレーター、声優などのいわゆる「話しのプロ」ではない人たちです。
よって、学習用にきれいな英語で吹き込まれた英語とは一味違う、自然な日常英語を聞くことができる教材となっています。
おわりに
ラジオビジネス英語の5月号のインタビューのお相手が英語ノンネイティブであったことで、英語が母語でない人の英語を聞き取ることについて感じていることを書きました。
仕事や日常生活、旅行先で出会う外国のかたが非ネイティブである確率が高い以上、ノンネイティブスピーカーの英語にも積極的に取り組んでゆく必要があります。
ラジオビジネス英語5月号ではノンネイティブスピーカーの英語を聞く機会を得て、あらためて英語は世界の共通語という感想を持ちました。
ラジオビジネス英語の6月号ではMonocle編集長でカナダ出身のタイラー・ブリュレさんがインタビューのお相手です。
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